男女の描き分け講座
ふだん男性キャラばかり・女性キャラばかり描いていて、異なる性別のキャラクターを描くのが苦手……という人は多いのではないでしょうか。男性キャラクターと女性キャラクターでは描き方は大きく異なります。
この講座では、男女の顔の描き分け方、男女の体格の違い、男女2人のポーズの描き方ポイントについて解説します。
男女の顔の描き分け
まず、男女の顔を描き分けるときに注意したいポイントについて説明します。
子ども、大人の女性、大人の男性を例に違いを見てみましょう。
子どもの年齢
子どもの正面顔は、大きな2つの円で構成された輪郭としてとらえることができます。アゴがほとんど尖っておらず、頬の丸みがひときわ目立ちます。
横顔は、おでこと鼻の輪郭が巨大な円2つをなぞるように形を取って描くとよいでしょう。
小学生くらいの子どもの段階では、男女に大きな違いはありません。また、小柄で丸顔な女性や、六頭身くらいのデフォルメが強めの絵柄でも同様です。
大人の女性
女性の顔は、子どもよりはややスリムですが、頭や頬は丸みを帯びています。
鼻は起伏がなだらかなので、正面からでは鼻先を少し描く程度です。横から見ると鼻先はツンと上向いています。
髪の生え際は産毛が多く、カーブを描いてぼんやりとしています。
大人の男性
男性の顔は、頭や頬が角張っています。
鼻筋がしっかりと立っていて、眉と繋げて描くこともあります。横から見ると鼻先は下を向いていて、額も鼻も直線的に描きます。
髪の生え際も角張ってはっきりしています。
男女の顔を描くときは、これらの違いを意識して描き分けるようにしましょう。
男女の身体の違い
続いて、男女の体型や身体のバランスの違いについて説明します。
男女の体型を比較
六頭身の子どもまたは小柄な女性、比較的リアルな長身の女性、やや細身で長身の男性の体型を比べてみましょう。
男女で決定的に違うのは、上半身のあばら骨と下半身の骨盤の「骨の大きさ」です。これによって男女に特徴的な体のラインがつくられています。
子どもの体型
まず、子どもの体型です。
あばら骨は頭とほとんど同じサイズで、小さな卵型をしています。
腰の骨盤は、ヨコ幅はあばら骨と同じ程度ですが、タテ幅が頭の半分程度で、お尻が小さくなります。
あばら骨が小さく、骨盤のヨコ幅も狭いため、あまりウエストが目立ちません。
女性の体型
女性の場合はあばら骨は子どもと同じような卵形の形ですが、子どもよりも少しだけタテに長くなっています。
骨盤はあばら骨よりもヨコに長いため、お尻が上半身よりも大きく見えます。
あばら骨と骨盤の間隔が広く、小さなあばら骨とヨコに広い骨盤のため、ヘソより高い位置でウエストがくびれます。
男性の体型
男性のあばら骨は、タテが頭のおよそ1.5倍、ヨコが1.2倍が目安で、下方は広がり、女性よりも上半身がひときわ大きく見えます。
骨盤はヨコ幅があばら骨とほぼ同じで、タテに長いのが特徴です。
あばら骨と骨盤の間隔は狭く、わき腹は筋肉で膨らんでいて、くびれはほとんどありません。
ウエストとヘソの位置
男女の体型を詳しく比べてみましょう。
肩(鎖骨)や脚の付け根(お尻の一番太いところ)の高さが違うのが分かります。
一番重要なのは、ウエストとヘソの位置関係です。ウエスト位置を基準としたヘソの高さを比較すると、女性のヘソはウエストから遠く、男性のヘソはウエストに近い位置にあることが分かります。
ちなみに、ヘソの形も男女で異なります。女性のヘソは脂肪でふっくらとタテ長に見えるのに対し、男性のヘソはヨコに引き伸ばされて、奥行きも浅く見えます。イラストでは小さな点ですが、縦線か横線かでかなり印象が違うので注意したいポイントです。
肩幅の差
男女とも、肩は胴体にめり込むように付いており、あばら骨(胴体)が大きくなることで肩も広くなります。
細身の男性を描こうとしてやりがちな失敗が、胴体は女性並みの細さで、肩だけ広く描いてしまう例です。
肩だけ広く描くと、常に脇の下に不自然な隙間ができてしまい、胸と腕の接続部分が上手く描けません。また、肩幅に対して腰から下が細すぎるため、身長が高くなるほどバランスが悪くなります。注意しましょう。
横から見たとき
横から見た男女の体格を比較してみましょう。
女性の腰は男性よりも大きく湾曲します。女性的なポーズは、この特徴を強調することで描く事ができます。
上半身をそらすことで、女性は胸が大きく見え、腰の湾曲が更に大きくなり、お尻が持ち上がります。男性は背筋の盛り上がりが強調され、相対的に腰がくびれて見えます。
また、女性は男性と比べて下腹部が少し飛び出します。
女性のお尻は男性よりも脂肪が多いため、下膨れ型で、太ももとの境界が滑らかです。脚のカーブが次第に膨らんでいって、お尻を形作っていきます。
男性のお尻は太ももとの境界がクイッと持ち上がって、急にぽっこり膨らんだような見た目です。腰があまり湾曲しないので、お尻はキュッと引っ込んで見えます。
女性は膝裏が伸びることでかかとが持ち上がるので、ハイヒールを履かせると自然になります。
斜め向き
横向きからだけではなく、斜め向きでも同様です。
女性は下腹部とお尻が飛び出し、腰を曲げることでくびれを強調します。
男性は下腹部、腰~お尻までをフラットに描きます。
このように同じようなポーズをとらせてみても、腰の曲がり方でかなり男女差が出ます。
服を着たときの違い
男女の体型の違いは、服を着たときのベルトやズボンの高さでも表れます。
女性は胸下~へその高い位置、男性はヘソ~尻えくぼの低い位置に衣類をひっかけやすいため、基本的にはここでベルトを締めたり、ズボンなどを履きます。
なお、女性はお尻にひっかけることで、ローライズのズボンも履けます。
女性の場合、ベルト位置が高く、上半身が小さいので、胸が実際より大きく見えて、ベルトより下がフワッと膨らむようになります。
男性の場合、ベルト位置が低く、上半身が大きいので、胸板の厚みを表現できます。また、ベルトより下がスリムに見えます。
中性的なキャラクターは、このベルトの高さが非常に重要になってきます。
特に後ろ姿では、ベルト位置によって強調される女性のお尻のラインと男性の背筋のラインが正面以上に目立つので、服のデザインの男女差には気をつけましょう。
男女の体格のバリエーション
男女の描き分けは二種類だけではありません。
年齢や体格によって男性的な特徴と女性的な特徴を少しずつ混ぜることで、いろいろな個人差を描き分けることができます。
男性的なキャラクターであれば、背筋の盛り上がりやくびれの無いウエスト、逆に女性的なキャラクターであれば、腰のくびれや広いお尻などで強調しましょう。
また、パルミーではこの講座を担当するYANAMi先生の「ポーズの描き方講座」を公開しています。この講座よりもさらに詳しい解説をしているので、ぜひ参考にしてみてください。
男女ポーズの描き方のポイント
最後に、男女の体格差を生かしたポーズの描き方について解説します。
お姫様だっこ
男性が相手の女性を両手で抱きかかえる、いわゆる「お姫様だっこ」のポーズです。
だっこする男性の方は、人の重さを支えるため、少し胸を反らすポーズになります。
鎖骨が上に膨らみ、襟も上向きに膨らみます。
手は背中とひざ裏を支える位置にします。手のひらを先に描くと描きやすいでしょう。肘はウエストの高さくらいに、肘より先の腕を短く丸く描きます。
足は、しっかり力をこめて立っている様子を、太ももやふくらはぎの筋肉のカーブで表現します。Sの字を意識しましょう。
だっこされる方は、最初に胴体~ひざのアタリを描いてから、抱き上げる人物の手が背中とひざ裏にくるように調節しましょう。
抱き上げられて体が少し傾くので、奥のお尻が見えます。
左右で少し足先の角度を変えると、だっこされたときの脱力感が出ます。腕を首に回したいので、背中を少し曲げて、顔を近づけて描きます。
続いて線画です。
だっこしている方の指は、第二関節を曲げ、第一関節を軽く反らせます。小指を他の指から少し離してスペースをとると、自然に力を入れた手に見えます。
スカートをはいている場合、何カ所かでシワやたわみができます。ひざ裏を支える手に引っ張られるので、お尻から膝へ向かってうっすらシワができます。
両ひざには山を繋ぐように尖ったシワが、お腹の前では布が膨らんでシワができます。
お尻の周りの膨らみは布がクシャッとたわんで出来ています。布の先が上へ持ち上がるのを意識して描きましょう。
壁に手をつく
相手を壁際に寄せて手をつくポーズです。
先に壁のアタリを描いてから、それを目安に手を置く位置を決めると描きやすいでしょう。後ろに腕を引いた方の肩は、背中側に筋肉が盛り上がるので、しっかり膨らませて描きます。
また、この絵のように低い位置から見上げた構図の場合、キャラクターの水平断面や目鼻の角度に注意しましょう。ズボンのベルトや服の裾などは、基本的にこの線に沿う形になります。
続いて線画です。
壁際の人物は寄りかかった姿勢なので、どこかに手をついたポーズにすると自然です。体の水平断面から服の裾がずれる場合、どこかに大きなシワが寄って膨らみます。
プリーツスカートはシワができにくいですが、足を動かすとひだが開くので、足の動きに合わせて少しずつひだの開き具合を調節しましょう。
ネクタイの長さはベルトのバックルにかかる程度です。
おんぶ
男の子が女の子をおんぶするポーズです。
おんぶする男の子の方は前傾姿勢になり、首の周りに丸みのついたひし形ができます。これが肩の自然な曲線になります。
相手の太ももを抱えるので、肘を張って、腕と脇腹の隙間を大きく開けます。
おんぶされている方の手は、背負った人の肩に乗せるか、首の周りに巻くようにします。
ひざの位置からふくらはぎの外側を丸く膨らませて描くと、ひざを軽く曲げたポーズに見えます。
線画では、前傾姿勢を表現するため、襟や袖の丸みをしっかり描きます。
女の子の脚が通る部分は、凹んで出来たシワを大きく描きましょう。
まとめ
男性と女性の顔や身体の違いをしっかり理解することで、キャラクターをよりそれらしく描き分けたり、体格差の違いを生かしたポーズを取らせたりすることができます。
この講座で解説した内容を、ぜひみなさんのイラストに生かしててみて下さい。
イラレポ
投稿完了
ふだん男性キャラばかり・女性キャラばかり描いていて、異なる性別のキャラクターを描くのが苦手……という人は多いのではないでしょうか。男性キャラクターと女性キャラクターでは描き方は大きく異なります。
この講座では、男女の顔の描き分け方、男女の体格の違い、男女2人のポーズの描き方ポイントについて解説します。
男女の顔の描き分け
まず、男女の顔を描き分けるときに注意したいポイントについて説明します。
子ども、大人の女性、大人の男性を例に違いを見てみましょう。
子どもの年齢
子どもの正面顔は、大きな2つの円で構成された輪郭としてとらえることができます。アゴがほとんど尖っておらず、頬の丸みがひときわ目立ちます。
横顔は、おでこと鼻の輪郭が巨大な円2つをなぞるように形を取って描くとよいでしょう。
小学生くらいの子どもの段階では、男女に大きな違いはありません。また、小柄で丸顔な女性や、六頭身くらいのデフォルメが強めの絵柄でも同様です。
大人の女性
女性の顔は、子どもよりはややスリムですが、頭や頬は丸みを帯びています。
鼻は起伏がなだらかなので、正面からでは鼻先を少し描く程度です。横から見ると鼻先はツンと上向いています。
髪の生え際は産毛が多く、カーブを描いてぼんやりとしています。
大人の男性
男性の顔は、頭や頬が角張っています。
鼻筋がしっかりと立っていて、眉と繋げて描くこともあります。横から見ると鼻先は下を向いていて、額も鼻も直線的に描きます。
髪の生え際も角張ってはっきりしています。
男女の顔を描くときは、これらの違いを意識して描き分けるようにしましょう。
男女の身体の違い
続いて、男女の体型や身体のバランスの違いについて説明します。
男女の体型を比較
六頭身の子どもまたは小柄な女性、比較的リアルな長身の女性、やや細身で長身の男性の体型を比べてみましょう。
男女で決定的に違うのは、上半身のあばら骨と下半身の骨盤の「骨の大きさ」です。これによって男女に特徴的な体のラインがつくられています。
子どもの体型
まず、子どもの体型です。
あばら骨は頭とほとんど同じサイズで、小さな卵型をしています。
腰の骨盤は、ヨコ幅はあばら骨と同じ程度ですが、タテ幅が頭の半分程度で、お尻が小さくなります。
あばら骨が小さく、骨盤のヨコ幅も狭いため、あまりウエストが目立ちません。
女性の体型
女性の場合はあばら骨は子どもと同じような卵形の形ですが、子どもよりも少しだけタテに長くなっています。
骨盤はあばら骨よりもヨコに長いため、お尻が上半身よりも大きく見えます。
あばら骨と骨盤の間隔が広く、小さなあばら骨とヨコに広い骨盤のため、ヘソより高い位置でウエストがくびれます。
男性の体型
男性のあばら骨は、タテが頭のおよそ1.5倍、ヨコが1.2倍が目安で、下方は広がり、女性よりも上半身がひときわ大きく見えます。
骨盤はヨコ幅があばら骨とほぼ同じで、タテに長いのが特徴です。
あばら骨と骨盤の間隔は狭く、わき腹は筋肉で膨らんでいて、くびれはほとんどありません。
ウエストとヘソの位置
男女の体型を詳しく比べてみましょう。
肩(鎖骨)や脚の付け根(お尻の一番太いところ)の高さが違うのが分かります。
一番重要なのは、ウエストとヘソの位置関係です。ウエスト位置を基準としたヘソの高さを比較すると、女性のヘソはウエストから遠く、男性のヘソはウエストに近い位置にあることが分かります。
ちなみに、ヘソの形も男女で異なります。女性のヘソは脂肪でふっくらとタテ長に見えるのに対し、男性のヘソはヨコに引き伸ばされて、奥行きも浅く見えます。イラストでは小さな点ですが、縦線か横線かでかなり印象が違うので注意したいポイントです。
肩幅の差
男女とも、肩は胴体にめり込むように付いており、あばら骨(胴体)が大きくなることで肩も広くなります。
細身の男性を描こうとしてやりがちな失敗が、胴体は女性並みの細さで、肩だけ広く描いてしまう例です。
肩だけ広く描くと、常に脇の下に不自然な隙間ができてしまい、胸と腕の接続部分が上手く描けません。また、肩幅に対して腰から下が細すぎるため、身長が高くなるほどバランスが悪くなります。注意しましょう。
横から見たとき
横から見た男女の体格を比較してみましょう。
女性の腰は男性よりも大きく湾曲します。女性的なポーズは、この特徴を強調することで描く事ができます。
上半身をそらすことで、女性は胸が大きく見え、腰の湾曲が更に大きくなり、お尻が持ち上がります。男性は背筋の盛り上がりが強調され、相対的に腰がくびれて見えます。
また、女性は男性と比べて下腹部が少し飛び出します。
女性のお尻は男性よりも脂肪が多いため、下膨れ型で、太ももとの境界が滑らかです。脚のカーブが次第に膨らんでいって、お尻を形作っていきます。
男性のお尻は太ももとの境界がクイッと持ち上がって、急にぽっこり膨らんだような見た目です。腰があまり湾曲しないので、お尻はキュッと引っ込んで見えます。
女性は膝裏が伸びることでかかとが持ち上がるので、ハイヒールを履かせると自然になります。
斜め向き
横向きからだけではなく、斜め向きでも同様です。
女性は下腹部とお尻が飛び出し、腰を曲げることでくびれを強調します。
男性は下腹部、腰~お尻までをフラットに描きます。
このように同じようなポーズをとらせてみても、腰の曲がり方でかなり男女差が出ます。
服を着たときの違い
男女の体型の違いは、服を着たときのベルトやズボンの高さでも表れます。
女性は胸下~へその高い位置、男性はヘソ~尻えくぼの低い位置に衣類をひっかけやすいため、基本的にはここでベルトを締めたり、ズボンなどを履きます。
なお、女性はお尻にひっかけることで、ローライズのズボンも履けます。
女性の場合、ベルト位置が高く、上半身が小さいので、胸が実際より大きく見えて、ベルトより下がフワッと膨らむようになります。
男性の場合、ベルト位置が低く、上半身が大きいので、胸板の厚みを表現できます。また、ベルトより下がスリムに見えます。
中性的なキャラクターは、このベルトの高さが非常に重要になってきます。
特に後ろ姿では、ベルト位置によって強調される女性のお尻のラインと男性の背筋のラインが正面以上に目立つので、服のデザインの男女差には気をつけましょう。
男女の体格のバリエーション
男女の描き分けは二種類だけではありません。
年齢や体格によって男性的な特徴と女性的な特徴を少しずつ混ぜることで、いろいろな個人差を描き分けることができます。
男性的なキャラクターであれば、背筋の盛り上がりやくびれの無いウエスト、逆に女性的なキャラクターであれば、腰のくびれや広いお尻などで強調しましょう。
また、パルミーではこの講座を担当するYANAMi先生の「ポーズの描き方講座」を公開しています。この講座よりもさらに詳しい解説をしているので、ぜひ参考にしてみてください。
男女ポーズの描き方のポイント
最後に、男女の体格差を生かしたポーズの描き方について解説します。
お姫様だっこ
男性が相手の女性を両手で抱きかかえる、いわゆる「お姫様だっこ」のポーズです。
だっこする男性の方は、人の重さを支えるため、少し胸を反らすポーズになります。
鎖骨が上に膨らみ、襟も上向きに膨らみます。
手は背中とひざ裏を支える位置にします。手のひらを先に描くと描きやすいでしょう。肘はウエストの高さくらいに、肘より先の腕を短く丸く描きます。
足は、しっかり力をこめて立っている様子を、太ももやふくらはぎの筋肉のカーブで表現します。Sの字を意識しましょう。
だっこされる方は、最初に胴体~ひざのアタリを描いてから、抱き上げる人物の手が背中とひざ裏にくるように調節しましょう。
抱き上げられて体が少し傾くので、奥のお尻が見えます。
左右で少し足先の角度を変えると、だっこされたときの脱力感が出ます。腕を首に回したいので、背中を少し曲げて、顔を近づけて描きます。
続いて線画です。
だっこしている方の指は、第二関節を曲げ、第一関節を軽く反らせます。小指を他の指から少し離してスペースをとると、自然に力を入れた手に見えます。
スカートをはいている場合、何カ所かでシワやたわみができます。ひざ裏を支える手に引っ張られるので、お尻から膝へ向かってうっすらシワができます。
両ひざには山を繋ぐように尖ったシワが、お腹の前では布が膨らんでシワができます。
お尻の周りの膨らみは布がクシャッとたわんで出来ています。布の先が上へ持ち上がるのを意識して描きましょう。
壁に手をつく
相手を壁際に寄せて手をつくポーズです。
先に壁のアタリを描いてから、それを目安に手を置く位置を決めると描きやすいでしょう。後ろに腕を引いた方の肩は、背中側に筋肉が盛り上がるので、しっかり膨らませて描きます。
また、この絵のように低い位置から見上げた構図の場合、キャラクターの水平断面や目鼻の角度に注意しましょう。ズボンのベルトや服の裾などは、基本的にこの線に沿う形になります。
続いて線画です。
壁際の人物は寄りかかった姿勢なので、どこかに手をついたポーズにすると自然です。体の水平断面から服の裾がずれる場合、どこかに大きなシワが寄って膨らみます。
プリーツスカートはシワができにくいですが、足を動かすとひだが開くので、足の動きに合わせて少しずつひだの開き具合を調節しましょう。
ネクタイの長さはベルトのバックルにかかる程度です。
おんぶ
男の子が女の子をおんぶするポーズです。
おんぶする男の子の方は前傾姿勢になり、首の周りに丸みのついたひし形ができます。これが肩の自然な曲線になります。
相手の太ももを抱えるので、肘を張って、腕と脇腹の隙間を大きく開けます。
おんぶされている方の手は、背負った人の肩に乗せるか、首の周りに巻くようにします。
ひざの位置からふくらはぎの外側を丸く膨らませて描くと、ひざを軽く曲げたポーズに見えます。
線画では、前傾姿勢を表現するため、襟や袖の丸みをしっかり描きます。
女の子の脚が通る部分は、凹んで出来たシワを大きく描きましょう。
まとめ
男性と女性の顔や身体の違いをしっかり理解することで、キャラクターをよりそれらしく描き分けたり、体格差の違いを生かしたポーズを取らせたりすることができます。
この講座で解説した内容を、ぜひみなさんのイラストに生かしててみて下さい。
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フリーランスのイラストレーター。東洋美術学校イラストレーション科コミックイラストコース、人体イラスト講師。
イラレポ
投稿完了
YANAMi
フリーランスのイラストレーター。東洋美術学校イラストレーション科コミックイラストコース、人体イラスト講師。