ノベルゲーム背景イラストの描き方をメイキングで解説
ノベルゲームとは、キャラクターの会話をメインにして進んでいくゲームのこと。
ノベルゲームの背景は、ゲームの中の世界観を的確に表現しつつ、キャラクターを引き立てる重要な役割を持っています。
今回はアニメ・ゲーム背景などのイラストレーター、甘蟹先生によるパルミー月謝制講座「ゲーム背景実践講座」より一部抜粋してご紹介。
ゲーム背景を描くために必要な基礎知識や描き方のポイントを、メイキング形式でわかりやすく解説します。
自作ゲームを作っている、これから作りたい方はもちろん、背景を描いてみたい、イラストレーターを目指している方はぜひご覧ください!
ノベルゲーム背景の基礎知識
ノベルゲーム背景とは?
ノベルゲームの中でキャラクターが会話しているときの背景を「ノベルゲーム背景」といいます。「立ち絵背景」「汎用背景」「シナリオ背景」と呼ばれることもあります。
キャラクターが演技することを目的とした背景であり、どんなキャラクターが来ても違和感なく制作するのが大切です。
ノベルゲーム背景の特徴
アイレベル
アイレベルは画面のほぼ中央、キャラクターの胸のあたりに取ると、複数のキャラクターが違和感なく表示されます。
ノベルゲームでは、会話用ウインドウが画面下部に表示されたときに邪魔にならないようにする理由もあります。
下の図のように、アイレベルが下すぎるとキャラクターが巨大に見えてしまったり、逆に高すぎると地面にめり込んで見えてしまったりします。
室内アングル
ノベルゲーム背景では、室内の場合のアングルは、正面、少し斜め、斜めの3つが多いです。
どの部分を見せたいか考えて、アングルを決めましょう。
イメージを具体的にしておく
特定のキャラクターの部屋を描く場合は、キャラクターの絵や設定をもとに制作しましょう。たとえば主人公の寝室の場合でも、性格や趣味などによって部屋の中にある小物が変わってきます。イメージを具体的にしておくことが大切です。
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室内作画の基本。奥行を出す塗り方
ここからは、ノベルゲーム背景の室内を制作するときに知っておきたい奥行を出す塗り方についてご紹介します。
まずは、一点透視のパースで室内のイメージを作成しました。
家具は分かりやすく立方体にしています。
壁の明暗
まずは室内の壁にざっくりとした明暗をつけます。こちらも分かりやすくグレースケールで表示しています。
基本は天井が一番暗く、床が一番明るくなります。
隣接する壁は違う明るさにしましょう。左右と正面、どちらが明るくても構いません。
隅は暗くする
隅の部分にグラデーションをつけて、奥行を出します。
隅を暗くすることによって、室内らしさを出すことができます。
面の塗り分け方法
家具である立方体を塗り分けていきます。まず、上部を明るい色で塗りました。
側面は、どちらかを明るくしたらもう一方は暗くします。壁と同様、同じ明るさを隣接させないのがポイントです。
今回は手前を明るく、右側面を暗くしました。同じ明るさで塗ってしまうと、面がわからなくなり形を認識しづらくなってしまうので、必ず明暗に区別をつけましょう。
室内の場合は、ライトや窓など光がたくさんあるため、光源はばらばらで構いません。
距離感の表現について
奥にあるものはコントラストを弱めて描きます。
コントラストとは、明暗の差のことを指します。
上の画像はNG例です。奥の箱のコントラストが強いため、存在感があり目立ってしまいます。
コントラストを弱めすぎると、存在感が希薄になりすぎてしまうので注意が必要です。
落ち影と接地面
光が物体に遮られてできる影のことを「落ち影」と言います。
手前の箱の方が厚みがあり、奥のほうは厚みがないので落ち影の幅が変わってきます。
手前と奥の厚みの差がわかりやすいように、厚みのあるものにはより落ち影を長くつけたほうが違いを表現することができます。
窓の描き方
窓を描いていきます。
上記は分かりやすいように窓枠を強調した図です。
太陽光は上から当たるので、上の部分は暗く、他の3辺は明るく描きます。
上の窓枠の角は落ち影が落ちるので、暗くします。
完成!
照明と窓にフレアを描き、発光している感じにして完成です。
ノベルゲーム室内背景メイキング
では、実際にノベルゲームの室内背景の制作過程をメイキング形式でご紹介します。
ラフからパースを作成
まず大まかにラフを描き、二点透視のパースを作成しました。中央のピンクのラインがアイレベルです。
箱をベースにして家具を配置
モチーフごとにレイヤーを分け、家具を描いていきます。
最初から詳細に描こうとするのではなく、箱を描いて仕上げていくと良いでしょう。
描き方に順番はありませんが、大きいところから仕上げていくと全体の雰囲気がつかみやすく、作業がしやすいです。
テクスチャを貼りカウンターを仕上げる
カウンターなど、木の部分に質感をイメージしながらざっくりと上下に筆を動かし塗っていきます。
そこからより木の質感を表現するために、テクスチャを貼ります。
パースに合わせて変形させるときは、木目の間隔のイメージも意識しましょう。
テクスチャの形を合わせたら、レイヤー効果を使いなじませます。「ソフトライト」「オーバーレイ」「乗算」など、イメージに合うものを使用しましょう。
今回は「ソフトライト」を使用しました。濃さは透明度で調整します。
カウンターの出っ張っている部分の下に落ち影を入れます。
角の部分は色を明るくしてあげると、形がはっきりしてメリハリがつきます。
さらに縦方向に溝を、接地面を太くするなど、写真をみながらリアルになるようにクオリティを上げて行きましょう。
床も同様にフローリングに見えるようにテクスチャを貼ります。
イスを描く
イスなどの複雑な形のものは、正面の形を描き、パースに合わせて変形すると簡単に描くことができます。
上の画像はイスの背もたれの部分を正面から見た形です。
背もたれをパースに合わせて自由変形をします。そこからさらに座りやすいように傾斜をつけてあげるとよりイスらしくなります。
少しずらしてコピペをし、厚みを出します。
脚の部分も、1本描いたらパースに合わせてコピペする方法で作成しました。
ハイライトや落ち影、側面に色を入れてクオリティを高めていきます。
窓を描く
まずは窓の外の景観を描き込みます。
今回はビルの1階という想定で、木を描き込みました。遠くにあるものなので、コントラストを弱めて1色で描いていきます。シルエットを重視しながら描きましょう。
窓枠を描いていきます。
窓枠にもパースがかかっているので、イスと同様、正面を描いて変形します。
さらにコピペをして厚みをつけ、端の方を暗くするなどして調整をします。
ガラスの描き方です。
選択範囲で選択し、四隅や窓枠に近い部分に白を入れていきます。やわらかいブラシを使うとぼんやりした感じが出て、ガラスがあるように見えます。
完成!
同様の描き方でテーブルやソファ、カウンター上の小物を追加して完成です!
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ノベルゲームとは、キャラクターの会話をメインにして進んでいくゲームのこと。
ノベルゲームの背景は、ゲームの中の世界観を的確に表現しつつ、キャラクターを引き立てる重要な役割を持っています。
今回はアニメ・ゲーム背景などのイラストレーター、甘蟹先生によるパルミー月謝制講座「ゲーム背景実践講座」より一部抜粋してご紹介。
ゲーム背景を描くために必要な基礎知識や描き方のポイントを、メイキング形式でわかりやすく解説します。
自作ゲームを作っている、これから作りたい方はもちろん、背景を描いてみたい、イラストレーターを目指している方はぜひご覧ください!
ノベルゲーム背景の基礎知識
ノベルゲーム背景とは?
ノベルゲームの中でキャラクターが会話しているときの背景を「ノベルゲーム背景」といいます。「立ち絵背景」「汎用背景」「シナリオ背景」と呼ばれることもあります。
キャラクターが演技することを目的とした背景であり、どんなキャラクターが来ても違和感なく制作するのが大切です。
ノベルゲーム背景の特徴
アイレベル
アイレベルは画面のほぼ中央、キャラクターの胸のあたりに取ると、複数のキャラクターが違和感なく表示されます。
ノベルゲームでは、会話用ウインドウが画面下部に表示されたときに邪魔にならないようにする理由もあります。
下の図のように、アイレベルが下すぎるとキャラクターが巨大に見えてしまったり、逆に高すぎると地面にめり込んで見えてしまったりします。
室内アングル
ノベルゲーム背景では、室内の場合のアングルは、正面、少し斜め、斜めの3つが多いです。
どの部分を見せたいか考えて、アングルを決めましょう。
イメージを具体的にしておく
特定のキャラクターの部屋を描く場合は、キャラクターの絵や設定をもとに制作しましょう。たとえば主人公の寝室の場合でも、性格や趣味などによって部屋の中にある小物が変わってきます。イメージを具体的にしておくことが大切です。
ノベルゲーム背景の描き方
室内作画の基本。奥行を出す塗り方
ここからは、ノベルゲーム背景の室内を制作するときに知っておきたい奥行を出す塗り方についてご紹介します。
まずは、一点透視のパースで室内のイメージを作成しました。
家具は分かりやすく立方体にしています。
壁の明暗
まずは室内の壁にざっくりとした明暗をつけます。こちらも分かりやすくグレースケールで表示しています。
基本は天井が一番暗く、床が一番明るくなります。
隣接する壁は違う明るさにしましょう。左右と正面、どちらが明るくても構いません。
隅は暗くする
隅の部分にグラデーションをつけて、奥行を出します。
隅を暗くすることによって、室内らしさを出すことができます。
面の塗り分け方法
家具である立方体を塗り分けていきます。まず、上部を明るい色で塗りました。
側面は、どちらかを明るくしたらもう一方は暗くします。壁と同様、同じ明るさを隣接させないのがポイントです。
今回は手前を明るく、右側面を暗くしました。同じ明るさで塗ってしまうと、面がわからなくなり形を認識しづらくなってしまうので、必ず明暗に区別をつけましょう。
室内の場合は、ライトや窓など光がたくさんあるため、光源はばらばらで構いません。
距離感の表現について
奥にあるものはコントラストを弱めて描きます。
コントラストとは、明暗の差のことを指します。
上の画像はNG例です。奥の箱のコントラストが強いため、存在感があり目立ってしまいます。
コントラストを弱めすぎると、存在感が希薄になりすぎてしまうので注意が必要です。
落ち影と接地面
光が物体に遮られてできる影のことを「落ち影」と言います。
手前の箱の方が厚みがあり、奥のほうは厚みがないので落ち影の幅が変わってきます。
手前と奥の厚みの差がわかりやすいように、厚みのあるものにはより落ち影を長くつけたほうが違いを表現することができます。
窓の描き方
窓を描いていきます。
上記は分かりやすいように窓枠を強調した図です。
太陽光は上から当たるので、上の部分は暗く、他の3辺は明るく描きます。
上の窓枠の角は落ち影が落ちるので、暗くします。
完成!
照明と窓にフレアを描き、発光している感じにして完成です。
ノベルゲーム室内背景メイキング
では、実際にノベルゲームの室内背景の制作過程をメイキング形式でご紹介します。
ラフからパースを作成
まず大まかにラフを描き、二点透視のパースを作成しました。中央のピンクのラインがアイレベルです。
箱をベースにして家具を配置
モチーフごとにレイヤーを分け、家具を描いていきます。
最初から詳細に描こうとするのではなく、箱を描いて仕上げていくと良いでしょう。
描き方に順番はありませんが、大きいところから仕上げていくと全体の雰囲気がつかみやすく、作業がしやすいです。
テクスチャを貼りカウンターを仕上げる
カウンターなど、木の部分に質感をイメージしながらざっくりと上下に筆を動かし塗っていきます。
そこからより木の質感を表現するために、テクスチャを貼ります。
パースに合わせて変形させるときは、木目の間隔のイメージも意識しましょう。
テクスチャの形を合わせたら、レイヤー効果を使いなじませます。「ソフトライト」「オーバーレイ」「乗算」など、イメージに合うものを使用しましょう。
今回は「ソフトライト」を使用しました。濃さは透明度で調整します。
カウンターの出っ張っている部分の下に落ち影を入れます。
角の部分は色を明るくしてあげると、形がはっきりしてメリハリがつきます。
さらに縦方向に溝を、接地面を太くするなど、写真をみながらリアルになるようにクオリティを上げて行きましょう。
床も同様にフローリングに見えるようにテクスチャを貼ります。
イスを描く
イスなどの複雑な形のものは、正面の形を描き、パースに合わせて変形すると簡単に描くことができます。
上の画像はイスの背もたれの部分を正面から見た形です。
背もたれをパースに合わせて自由変形をします。そこからさらに座りやすいように傾斜をつけてあげるとよりイスらしくなります。
少しずらしてコピペをし、厚みを出します。
脚の部分も、1本描いたらパースに合わせてコピペする方法で作成しました。
ハイライトや落ち影、側面に色を入れてクオリティを高めていきます。
窓を描く
まずは窓の外の景観を描き込みます。
今回はビルの1階という想定で、木を描き込みました。遠くにあるものなので、コントラストを弱めて1色で描いていきます。シルエットを重視しながら描きましょう。
窓枠を描いていきます。
窓枠にもパースがかかっているので、イスと同様、正面を描いて変形します。
さらにコピペをして厚みをつけ、端の方を暗くするなどして調整をします。
ガラスの描き方です。
選択範囲で選択し、四隅や窓枠に近い部分に白を入れていきます。やわらかいブラシを使うとぼんやりした感じが出て、ガラスがあるように見えます。
完成!
同様の描き方でテーブルやソファ、カウンター上の小物を追加して完成です!
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