イラストの構図の考え方!アニメーターが教える画面作りのコツ
作品の印象を左右する「構図」は、イラスト制作で重要な要素の一つです。
構図の考え方や法則を学んで、素敵な作品に仕上げたいですね。
今回は、斉藤拓也先生による、パルミー月謝制講座「アニメーターが教えるカンタン構図講座【中級編】」より、内容を一部抜粋してご紹介します。
イラストの構図を決めるときの考え方や、見栄えのする構図作りのポイントを見ていきましょう。
イラストの構図の考え方
構図は「伝える」ためにある
好きなキャラクターの顔を描いたり、キャラクター同士で仲良くしている場面を描いたり、イラスト制作の根底には伝えたいテーマ・目的があると思います。
作品を観る人に伝えたいことを伝えるために、構図を考えていきましょう。
物の形を「単純化」して構図を考える
構図は難しく考えず、画面右の挿絵のように四角・丸・直線など、単純化した図形に置き換えて考えてみましょう。
複雑な人の形・物の形を単純化すると、画面を見たときの視線の流れや印象が分かりやすくなり、構図も考えやすくなります。
構図作りのポイント
①フレームを描く
最初に長方形のフレーム(枠)を描く
白紙のキャンバスに絵を描いていくのは難しそう……。
そんなときは、赤色などの色付きのペンで、長方形のフレームを描くところから始めてみましょう。
長方形のフレームは、自分の表現したい絵に合わせて縦・横の長さを決めます。
四角いフレームの中に描かれている部分が、実際に作品が完成したときの画面になります。
フレームがあると絵が描きやすくなる
アニメーターが使用するレイアウト用紙などにも、フレームの基準線が描かれています。
フレームの線を描くだけで、キャンバスが白紙ではなくなり、絵が描きやすくなります。
紙の全体を使う必要はなく、周りに余白があるくらいで丁度良いです。
②主観と客観を使い分ける
カメラがキャラクターに寄ったり引いたりするだけで、伝わる印象が大きく変わってきます。
カメラが寄ると主観的
カメラがキャラクターに寄ると、画面にはキャラクターの表情が大きく映し出されます。
キャラクターの内面や気持ちなど、主観的な印象を伝えたい場合に使ってみてください。
カメラが引くと客観的
カメラがキャラクターから引くと、内面の伝わり具合は弱くなりますが、キャラクターの特徴やポージングが画面に映ります。
シチュエーションなど、客観的な印象を伝えたいときに使ってみてください。
③思い切って寄ってみる
キャラクターの感情を前面に出した構図にしたい……。そんなときは、フレームに対してキャラクターをグッと大きくしてみましょう。
左の作例では、キャラクターがフレームに対して中途半端な大きさになってしまっています。
右の作例のように、キャラクターを大きく近づけることで、感情移入しやすい画面になります。
④画面とキャラクターの比率を考える
フレームの枠に対して、人物の面積がどのくらい占めているかを考えてみましょう。
人物が占める割合によって、構図の呼び方が変わってきます。
構図の呼び方を紹介しています。
- 超アップ
- クローズアップ
- バストアップ
- ウェスト
- ひざ丈
- 全身
- 遠景
カメラが寄っている超アップでは、フレームに対してキャラクターの顔が大部分を占めていますね。
反対に、カメラが引けば引くほどキャラクターが小さくなって、背景などが画面に映り込みます。
イラストを描く上で「何を伝えたいか」によって、どの構図を使えばよいのかが変わってきます。
次は、パターン別の構図の作例を見ていきましょう。
構図の作例
①超アップ・クローズアップ
超アップ・クローズアップは、モチーフをアップで映した構図です。
画面にはモチーフのディテールまで映るので、重要なものをしっかりと見せることができます。
超アップの構図
超アップは、アニメーションなどの映像作品で用いられることが多い構図です。
キラキラした目や頬染めを大きく映しているので、キャラクターのときめいている感情が伝わってきますね。
内面の感情は伝わりますが、カメラが大きく寄ったことにより、キャラクターの特徴が失われやすいです。
誰だか分からなくならないように注意しましょう。
クローズアップの構図
クローズアップの構図では、超アップよりもカメラが引いたことで、キャラクターの口や肩まで見えるようになりました。
頭のアクセサリーや髪型、服なども映るので、キャラクターの特徴も表現できます。
大きく開いた口が映ることにより、セリフを喋っているシーンだということが分かりますね。
手を使ったジェスチャーも入れて、キャラクターの感情を表現してみましょう。
この構図では、画面を縦・横に三分割した線を引き、中央の長方形の中にキャラクターの表情が入るようにしています。
真正面からクローズアップした構図で、激しく怒っているキャラクターの感情が伝わってきますね。
また、キャラクターを少しだけ傾けさせることで、動的な印象を作っています。
②ひざ丈・全身
ひざ丈・全身の構図では、キャラクターの体や背景の物も画面内に映ります。
人物がどこで何をしているのか、状況を伝えたいときにオススメの構図です。
ひざ丈の構図
カメラが引いているので、電車の中というシチュエーションが伝わってきますね。
ひざ丈までが画面に映っているので、キャラクターがどんなポーズで寝ているのかも分かります。
もたれかかっているジェスチャーや緩やかなカーブで、リラックスしている雰囲気を出しています。
全身の体の動きを使って、キャラクターを表現していきましょう。
また、この作例では、電車の窓・座席・扉の形を利用して、読み手の視線を誘導しています。
画面左側の窓・座席から横方向の流れを辿っていくと、画面中央のキャラクターに行きつきますね。
画面右側の扉は縦方向の流れを作っており、視線をフレームの外に逃がさないように留める役割をしています。
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また、アオリ・フカンの構図や、カメラを斜めに傾けて撮ったような斜めアングルの構図なども解説しています。
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構図の考え方や法則を学んで、素敵な作品に仕上げたいですね。
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イラストの構図を決めるときの考え方や、見栄えのする構図作りのポイントを見ていきましょう。
イラストの構図の考え方
構図は「伝える」ためにある
好きなキャラクターの顔を描いたり、キャラクター同士で仲良くしている場面を描いたり、イラスト制作の根底には伝えたいテーマ・目的があると思います。
作品を観る人に伝えたいことを伝えるために、構図を考えていきましょう。
物の形を「単純化」して構図を考える
構図は難しく考えず、画面右の挿絵のように四角・丸・直線など、単純化した図形に置き換えて考えてみましょう。
複雑な人の形・物の形を単純化すると、画面を見たときの視線の流れや印象が分かりやすくなり、構図も考えやすくなります。
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①フレームを描く
最初に長方形のフレーム(枠)を描く
白紙のキャンバスに絵を描いていくのは難しそう……。
そんなときは、赤色などの色付きのペンで、長方形のフレームを描くところから始めてみましょう。
長方形のフレームは、自分の表現したい絵に合わせて縦・横の長さを決めます。
四角いフレームの中に描かれている部分が、実際に作品が完成したときの画面になります。
フレームがあると絵が描きやすくなる
アニメーターが使用するレイアウト用紙などにも、フレームの基準線が描かれています。
フレームの線を描くだけで、キャンバスが白紙ではなくなり、絵が描きやすくなります。
紙の全体を使う必要はなく、周りに余白があるくらいで丁度良いです。
②主観と客観を使い分ける
カメラがキャラクターに寄ったり引いたりするだけで、伝わる印象が大きく変わってきます。
カメラが寄ると主観的
カメラがキャラクターに寄ると、画面にはキャラクターの表情が大きく映し出されます。
キャラクターの内面や気持ちなど、主観的な印象を伝えたい場合に使ってみてください。
カメラが引くと客観的
カメラがキャラクターから引くと、内面の伝わり具合は弱くなりますが、キャラクターの特徴やポージングが画面に映ります。
シチュエーションなど、客観的な印象を伝えたいときに使ってみてください。
③思い切って寄ってみる
キャラクターの感情を前面に出した構図にしたい……。そんなときは、フレームに対してキャラクターをグッと大きくしてみましょう。
左の作例では、キャラクターがフレームに対して中途半端な大きさになってしまっています。
右の作例のように、キャラクターを大きく近づけることで、感情移入しやすい画面になります。
④画面とキャラクターの比率を考える
フレームの枠に対して、人物の面積がどのくらい占めているかを考えてみましょう。
人物が占める割合によって、構図の呼び方が変わってきます。
構図の呼び方を紹介しています。
- 超アップ
- クローズアップ
- バストアップ
- ウェスト
- ひざ丈
- 全身
- 遠景
カメラが寄っている超アップでは、フレームに対してキャラクターの顔が大部分を占めていますね。
反対に、カメラが引けば引くほどキャラクターが小さくなって、背景などが画面に映り込みます。
イラストを描く上で「何を伝えたいか」によって、どの構図を使えばよいのかが変わってきます。
次は、パターン別の構図の作例を見ていきましょう。
構図の作例
①超アップ・クローズアップ
超アップ・クローズアップは、モチーフをアップで映した構図です。
画面にはモチーフのディテールまで映るので、重要なものをしっかりと見せることができます。
超アップの構図
超アップは、アニメーションなどの映像作品で用いられることが多い構図です。
キラキラした目や頬染めを大きく映しているので、キャラクターのときめいている感情が伝わってきますね。
内面の感情は伝わりますが、カメラが大きく寄ったことにより、キャラクターの特徴が失われやすいです。
誰だか分からなくならないように注意しましょう。
クローズアップの構図
クローズアップの構図では、超アップよりもカメラが引いたことで、キャラクターの口や肩まで見えるようになりました。
頭のアクセサリーや髪型、服なども映るので、キャラクターの特徴も表現できます。
大きく開いた口が映ることにより、セリフを喋っているシーンだということが分かりますね。
手を使ったジェスチャーも入れて、キャラクターの感情を表現してみましょう。
この構図では、画面を縦・横に三分割した線を引き、中央の長方形の中にキャラクターの表情が入るようにしています。
真正面からクローズアップした構図で、激しく怒っているキャラクターの感情が伝わってきますね。
また、キャラクターを少しだけ傾けさせることで、動的な印象を作っています。
②ひざ丈・全身
ひざ丈・全身の構図では、キャラクターの体や背景の物も画面内に映ります。
人物がどこで何をしているのか、状況を伝えたいときにオススメの構図です。
ひざ丈の構図
カメラが引いているので、電車の中というシチュエーションが伝わってきますね。
ひざ丈までが画面に映っているので、キャラクターがどんなポーズで寝ているのかも分かります。
もたれかかっているジェスチャーや緩やかなカーブで、リラックスしている雰囲気を出しています。
全身の体の動きを使って、キャラクターを表現していきましょう。
また、この作例では、電車の窓・座席・扉の形を利用して、読み手の視線を誘導しています。
画面左側の窓・座席から横方向の流れを辿っていくと、画面中央のキャラクターに行きつきますね。
画面右側の扉は縦方向の流れを作っており、視線をフレームの外に逃がさないように留める役割をしています。
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また、アオリ・フカンの構図や、カメラを斜めに傾けて撮ったような斜めアングルの構図なども解説しています。
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