キャラの表情を華やかにする!色使い講座
みなさんはキャラクターの顔を描く時にどのように印象をコントロールしていますか?
キャラクターの頬(ほほ)の描き方一つでも、頬の色味や色を入れる位置によって顔の印象はずいぶん変わってきますよね。
この講座では、キャラの顔の印象を華やかにするメイクや色塗りの表現方法について解説していきます!
華やかな表情の描き方
人の顔の光と影が落ちる位置を把握する
最初に、キャラクターの顔に落ちる影について解説していきます。
今回は下の写真の線画を準備しました。
光源の位置が、左上・右上・正面・真後ろにある場合の影の位置は下の写真のようになります。
男女の違いの特徴としては、まず男性は彫りが深いので、目や鼻の影がくっきりとできやすいことです。
しっかりと影を描くことで、男性らしさを表現することができます。
次に女性の場合は、個人的に女性は幼く見えた方がかわいらしさが増してくると思うので、鼻の影は下の写真のような「ぽちっと」した感じで描いています。
男女の鼻の影は、下の写真のような横から光が当たる時に差が出てくると思います。
男性の場合は、頬や目元の部分の影の付け方を変えることで、骨格がはっきり見えて男らしさを表現することができます。
女性の場合は、影の付け方を工夫して顔の立体感を出すのではなく、部分的な影を入れずに柔らかい印象にしたほうがかわいらしく表現できると思います。
目や眉でキャラクターを華やかに魅せる
ここでは、目や眉を工夫することでキャラクターの顔の印象をどのように変化させることができるかについて解説をしていきます。
下のイラストは眉以外のパーツがすべて同じ顔に対して4種類の眉を描き分けたものです。
1. 標準的な細い眉
2. 太めの眉
このように顔のパーツは同じでも、眉の太さが違うだけで印象が大きく変わります。
3. 短く上がった眉
「短く上がった眉」は、キャラクターに活発な印象を持たせることができます。また角度によっても与える印象は変わってきます。
4. 麻呂眉(まろまゆ)
「麻呂眉(まろまゆ)」は、現実の世界でこのような眉の人を見ることはほとんどありませんが、アニメやマンガでは現代のキャラクターにも描かれることがあります。
実際に麻呂眉にしていた人がいる時代は何百年も前ですが、かわいらしさを演出する手法としてキャラクターデザインの引き出しに入れておくのも良いかもしれません。
目の周辺の色に関してですが、目の周りに薄い陰影を入れたり、アイシャドウの効果を入れることで印象をコントロールすることができます。
以下のイラストで、ベースとなる自然な目や色を加えた特徴的な目を3つ取り上げてみます。
1. ナチュラルな目
最も基本的な自然な目です。
2. 色が濃い派手な目
目の周りの色を濃くして派手な印象をもたせた目です。
自然体の目というよりもメイクをしているイメージです。
3. 色を加えた目
瞳の色に合わせてまつ毛の色も変えています。
瞳とまつ毛の色に差があり違和感がある時は、このような工夫をするのも良いでしょう。
まつ毛と頬(ほほ)でキャラクターを華やかに魅せる
ここからはまつ毛と頬の色について解説していきます。
1. ナチュラルなまつ毛
最初は自然なまつ毛の紹介をしていきます。
下の写真くらいのまつ毛でも十分顔の印象を華やかにできると思います。
2. 先端が丸いまつ毛
最近は、先端が丸い下の写真のようなまつ毛を目にすることがあります。
小さな違いにみえますが、ナチュラルなまつ毛と比べても印象が変化しますので自分のストックとして覚えておくのも良いかと思います。
3. 長めの派手なまつ毛
その他にも下の写真のような長めのまつ毛があります。
主張をしっかりする意志の強いキャラクターや大人っぽいキャラクターなどに相性がよいと思います。
目のまわりでも触れましたが、まつ毛の中の色を調整してあげるのも大切なポイントです。
キャラクターの目はさまざまな色がありますが、それに対応してまつ毛の色も瞳の色を拾って入れるだけで印象をコントロールすることができます。
次に頬(ほほ)の色でキャラクターを華やかに魅せる方法を解説していきます。
頬の面積は顔のなかでも大きな割合を占めているので、顔の印象を左右するとても重要な箇所になります。
最初にやりがちなのは、下の写真のようにピンク色を頬に載せてしまうことかと思います。
キャラクターの周りに花があったり、派手なテイストの絵柄の場合は良いのですが、周りに描いているものが落ち着いている場合などはピンク色だと少し浮いてしまうかもしれません。
オススメの色は下の写真のような健康的なオレンジです。この色はとても肌馴染み(はだなじみ)がいいですし、若々しい感じがします。
次に、色を乗せる位置についてです。
下の写真中央のイラストだと自然にほほが赤くなったという印象ですが、写真左のように頬の高めの位置(目の近く)を赤らめると印象が変わります。
また、左のイラストように頬の高めの位置にあると、OLさん風のチークの入れ方、という雰囲気です。
一方で、写真右のイラストのように頬の真ん中あたりにまるまると色を乗せると、幼い印象になります。
目のハイライトの位置
最後に、目のハイライトの位置について解説を行っていきます。
私はキラキラした目が好きなので、かなり細かく描き込んでいます。
縮小してしまうと見えなくなることもありますが、このような細かな作画をすることが多いです。
次にハイライトを入れていきます。
ハイライトは、少ない方が大人な印象になります。下の写真のように、右上に大きくあると子どものような印象です。
また、下の写真のようにハイライトの形も自由でいいと思うので、ひし形にしてみたりしてもいいと思います。
目は、球状のものに光が当たって光っているので、どの方向にハイライトを入れても良いと思います。あくまで球になっていれば問題ないです。
また、黒目の部分が周りから独立していないというのはポイントです。まわりの白眼の部分などとなじませてもよいと思います。
下の写真のように黒目のフチなどを明るくしてもよいでしょう。
以上で「キャラの表情を華やかにする!色使い講座」は終了です。
また動画講座では実際にイラストを描いていきながら解説を行っていますので、記事よりも更に理解しやすくなっています。ぜひチェックしてみてくださいね!
イラレポ
投稿完了
みなさんはキャラクターの顔を描く時にどのように印象をコントロールしていますか?
キャラクターの頬(ほほ)の描き方一つでも、頬の色味や色を入れる位置によって顔の印象はずいぶん変わってきますよね。
この講座では、キャラの顔の印象を華やかにするメイクや色塗りの表現方法について解説していきます!
華やかな表情の描き方
人の顔の光と影が落ちる位置を把握する
最初に、キャラクターの顔に落ちる影について解説していきます。
今回は下の写真の線画を準備しました。
光源の位置が、左上・右上・正面・真後ろにある場合の影の位置は下の写真のようになります。
男女の違いの特徴としては、まず男性は彫りが深いので、目や鼻の影がくっきりとできやすいことです。
しっかりと影を描くことで、男性らしさを表現することができます。
次に女性の場合は、個人的に女性は幼く見えた方がかわいらしさが増してくると思うので、鼻の影は下の写真のような「ぽちっと」した感じで描いています。
男女の鼻の影は、下の写真のような横から光が当たる時に差が出てくると思います。
男性の場合は、頬や目元の部分の影の付け方を変えることで、骨格がはっきり見えて男らしさを表現することができます。
女性の場合は、影の付け方を工夫して顔の立体感を出すのではなく、部分的な影を入れずに柔らかい印象にしたほうがかわいらしく表現できると思います。
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ここでは、目や眉を工夫することでキャラクターの顔の印象をどのように変化させることができるかについて解説をしていきます。
下のイラストは眉以外のパーツがすべて同じ顔に対して4種類の眉を描き分けたものです。
1. 標準的な細い眉
2. 太めの眉
このように顔のパーツは同じでも、眉の太さが違うだけで印象が大きく変わります。
3. 短く上がった眉
「短く上がった眉」は、キャラクターに活発な印象を持たせることができます。また角度によっても与える印象は変わってきます。
4. 麻呂眉(まろまゆ)
「麻呂眉(まろまゆ)」は、現実の世界でこのような眉の人を見ることはほとんどありませんが、アニメやマンガでは現代のキャラクターにも描かれることがあります。
実際に麻呂眉にしていた人がいる時代は何百年も前ですが、かわいらしさを演出する手法としてキャラクターデザインの引き出しに入れておくのも良いかもしれません。
目の周辺の色に関してですが、目の周りに薄い陰影を入れたり、アイシャドウの効果を入れることで印象をコントロールすることができます。
以下のイラストで、ベースとなる自然な目や色を加えた特徴的な目を3つ取り上げてみます。
1. ナチュラルな目
最も基本的な自然な目です。
2. 色が濃い派手な目
目の周りの色を濃くして派手な印象をもたせた目です。
自然体の目というよりもメイクをしているイメージです。
3. 色を加えた目
瞳の色に合わせてまつ毛の色も変えています。
瞳とまつ毛の色に差があり違和感がある時は、このような工夫をするのも良いでしょう。
まつ毛と頬(ほほ)でキャラクターを華やかに魅せる
ここからはまつ毛と頬の色について解説していきます。
1. ナチュラルなまつ毛
最初は自然なまつ毛の紹介をしていきます。
下の写真くらいのまつ毛でも十分顔の印象を華やかにできると思います。
2. 先端が丸いまつ毛
最近は、先端が丸い下の写真のようなまつ毛を目にすることがあります。
小さな違いにみえますが、ナチュラルなまつ毛と比べても印象が変化しますので自分のストックとして覚えておくのも良いかと思います。
3. 長めの派手なまつ毛
その他にも下の写真のような長めのまつ毛があります。
主張をしっかりする意志の強いキャラクターや大人っぽいキャラクターなどに相性がよいと思います。
目のまわりでも触れましたが、まつ毛の中の色を調整してあげるのも大切なポイントです。
キャラクターの目はさまざまな色がありますが、それに対応してまつ毛の色も瞳の色を拾って入れるだけで印象をコントロールすることができます。
次に頬(ほほ)の色でキャラクターを華やかに魅せる方法を解説していきます。
頬の面積は顔のなかでも大きな割合を占めているので、顔の印象を左右するとても重要な箇所になります。
最初にやりがちなのは、下の写真のようにピンク色を頬に載せてしまうことかと思います。
キャラクターの周りに花があったり、派手なテイストの絵柄の場合は良いのですが、周りに描いているものが落ち着いている場合などはピンク色だと少し浮いてしまうかもしれません。
オススメの色は下の写真のような健康的なオレンジです。この色はとても肌馴染み(はだなじみ)がいいですし、若々しい感じがします。
次に、色を乗せる位置についてです。
下の写真中央のイラストだと自然にほほが赤くなったという印象ですが、写真左のように頬の高めの位置(目の近く)を赤らめると印象が変わります。
また、左のイラストように頬の高めの位置にあると、OLさん風のチークの入れ方、という雰囲気です。
一方で、写真右のイラストのように頬の真ん中あたりにまるまると色を乗せると、幼い印象になります。
目のハイライトの位置
最後に、目のハイライトの位置について解説を行っていきます。
私はキラキラした目が好きなので、かなり細かく描き込んでいます。
縮小してしまうと見えなくなることもありますが、このような細かな作画をすることが多いです。
次にハイライトを入れていきます。
ハイライトは、少ない方が大人な印象になります。下の写真のように、右上に大きくあると子どものような印象です。
また、下の写真のようにハイライトの形も自由でいいと思うので、ひし形にしてみたりしてもいいと思います。
目は、球状のものに光が当たって光っているので、どの方向にハイライトを入れても良いと思います。あくまで球になっていれば問題ないです。
また、黒目の部分が周りから独立していないというのはポイントです。まわりの白眼の部分などとなじませてもよいと思います。
下の写真のように黒目のフチなどを明るくしてもよいでしょう。
以上で「キャラの表情を華やかにする!色使い講座」は終了です。
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柚希きひろ
ゆずききひろ。イラストレーターです。 TCG「WIXOSS」「戦国大戦TCG」「魔法少女ザ・デュエル」宝島社「転生王子はダラけたい」青い鳥文庫「劇部ですから!」など。 共著『CLIP STUDIO PAINT PROで幻想的な美少女イラストを描く3つの流儀』(秀和システム)