魅力的な夕日と夜空のイラストメイキング!これで背景イラストも怖くない!?
背景というとたくさん描きこまなきゃいけないイメージがあったり、とても時間がかかるものだと思っていませんか?
この講座では夜空と夕日の描き方を解説していきます。簡単にしっかり作れる背景の描き方をマスターしましょう!
地上・空の背景を描く
地上を描く
まずは地上のベース描きます。
夕焼けを描くのになぜ地面?と思う方もいると思いますが、空というのは常に変化して捉えるのがとても難しいモチーフです。捉えどころない空を、しっかりとした形のある地面や人工物を描くことで安定して見せることができます。
絵を描き始める前に絵の奥行きをつかむため、目安となるパースをひきます。手で一本一本引く方法もありますがパースの基本がわかっていれば、下のようにブラシで登録した集中線を自由変形で動かすだけで正確な一点透視図法のアタリをつけることができます。
ベースはグレーで描き始めます。
夕暮れ時はドラマチックで色鮮やかな時間帯です。だからこそ最初は色にとらわれないよう、このようにグレーで明暗のバランス、ライティングを意識して描きはじめました。
まずはシルエットから描いていきます。
使用するブラシは四角がベースに、若干のテクスチャをのせたチョークのようなブラシです。不透明度は99%、筆圧によって濃淡がつくようにしてあります。
ぼんやりとしたブラシの跡を時々シャープな消しゴムブラシで消すことでシルエットを作り出します。
今回はゆるやかな川が流れている構図にしました。
水は反射という特性があるので、大きく空のある絵に入れると相性が良いモチーフです。
新しくレイヤーを1つ追加して、海を描きました。夕日と言ったら海はイメージしやすいですね。
水は下方向の反射を入れることで簡易的に表現できます。
人間は人を基準に大きさを認識するので、人のシルエットを描くと一気に大きさがわかりやすくなります。
人を描く際には筆圧で大きさがかわるブラシを使っています。
空を描く
続いて空のベースを描きます。まずはグレーで夕日のグラデーションを作ります。グラデーションにはエアブラシを使って表現します。
上空は夜空になるので暗く、地平線に近い部分は夕日があるので明るく塗りました。
奥から雲を描いていきます。距離感を出すにはくの字を描くようにペンを動かすことがコツです。
くの字に消しゴムを使って雲のシルエットを徐々に整えていきます。
手前に近くなるにつれて、雲の上側をぼかします。空気の流れやパースを意識してぼかしていきます。
全体のバランスを見て、地上のモチーフの影を強くしました。このように、空を描くときでも常に全体を見てバランスをとることが重要です。
地上の影を強くしたのでコントラストを高めるために、夕日部分を更に明るくします。印象に残る作品というのは、空や雲をそれぞれの要素を正確に描いただけでできるというわけではありません。
見て欲しいモチーフが最も活かせて、更に見た人の視線が集中する場所を考えることが大切です。
今回は、日が沈む太陽の最も明るい部分にあえて暗い廃墟のシルエットを重ねています。
目立つ部分に高いコントラストを作り出すことで、見た人の視線を誘導することができます。
夕日、雲レイヤーを不透明度保護して、エアブラシで柔らかな明暗をつけました。
背景のベースを塗る
ベースの色塗り
一番上にオーバーレイレイヤーを新規作成し、色をのせていきます。塗りの際にはエアブラシを使用します。
空の上部分は夜なので、青みをつけその青が反射したイメージで地上部分にも青をのせます。夕日部分は柔らかい暖色系ということでオレンジをのせました。
太陽に近い部分には黄色をのせることで、輝いているように見せることができます。
今までは一番上のレイヤーに色をのせている状態だったので、レイヤーを複製しそれぞれのレイヤーにクリッピングマスク、結合することで下のレイヤー全体に色をつけることができます。
雲・夕日・夜空を描き込む
雲・夕日の描き込み
まずは雲のディティールを整えます。
ブラシは筆圧で大きさが変化するブラシに、不透明度は高めのブラシを使用しました。また、消しゴムブラシで消したり、描いたりを繰り返してそれらしく見える形を追います。
難しい場合は写真を参考にするとやりやすいでしょう。
続いて遠くの雲を描きます。地平線近くにある雲は一番遠い雲になるので水平の線のイメージで描きます。
平筆のように若干スジがでるブラシを使用して、空を描く際に作ったグラデーションを遠近感を意識しながら乱します。この時も、くの字にブラシを動かすとやりやすいです。
こうすることで、高層の薄い雲や大気の乱れを表現できます。
ブラシをオーバーレイモードにして夕日部分を更に鮮やかにしました。全体を見つつ、手前部分のコントラストを強くして更に距離感を出していきます。水面は色が変化する特殊なブラシで描きました。
特殊なブラシで描くことで、絵に変化がでて面白くなります。
少しずつディティールを描いていきます。シルエットを重視して、それらしく見えるように消したり描いたりを繰り返します。
さらに雲を描き、手前部分は若干もこもこさせたいので、円を描くようにペンを動かします。
夕日部分のディティールを描きます。この部分は特に細くスジを描くようにペンを動かすのがコツです。
夜空を描く
夜空を描き込んでいきます。
ここまでベースができていれば夜空は星を描くことだけで済みます。今回のように夕日が近くにある空は、手動で点をぽちぽちとうつだけで星に見えます。
星をより映えるようにするために、手前部分の雲のバランスを見つつ動かしたり、描きこみを行います。
全体のバランスを整えて背景を仕上げる
イラストの仕上げ
全体を見て目につく部分を描きこみます。
コツは光があたっている部分は特に慎重に描き、影の部分は大胆に描かないことです。
川が少し物足りなかったので、一度レイヤー全てを複製、結合したものを垂直に反転し反射を表現します。
このテクニックはあらゆる点に応用できます。
調整レイヤーで一度全体の色をなくし、明暗のバランスを見て加筆しました。
色味がもう少しほしかったので、オーバーレイモードのブラシで緑を描いていきます。手前に、草のシルエットを加筆しました。
以上で、「魅力的な夕日と夜空の描き方講座」は終了です。
動画講座では、実際にイラストを描いていきながら解説を行っていますので、 記事よりも更に理解しやすくなっています。ぜひチェックしてみてくださいね!
イラレポ
投稿完了
背景というとたくさん描きこまなきゃいけないイメージがあったり、とても時間がかかるものだと思っていませんか?
この講座では夜空と夕日の描き方を解説していきます。簡単にしっかり作れる背景の描き方をマスターしましょう!
地上・空の背景を描く
地上を描く
まずは地上のベース描きます。
夕焼けを描くのになぜ地面?と思う方もいると思いますが、空というのは常に変化して捉えるのがとても難しいモチーフです。捉えどころない空を、しっかりとした形のある地面や人工物を描くことで安定して見せることができます。
絵を描き始める前に絵の奥行きをつかむため、目安となるパースをひきます。手で一本一本引く方法もありますがパースの基本がわかっていれば、下のようにブラシで登録した集中線を自由変形で動かすだけで正確な一点透視図法のアタリをつけることができます。
ベースはグレーで描き始めます。
夕暮れ時はドラマチックで色鮮やかな時間帯です。だからこそ最初は色にとらわれないよう、このようにグレーで明暗のバランス、ライティングを意識して描きはじめました。
まずはシルエットから描いていきます。
使用するブラシは四角がベースに、若干のテクスチャをのせたチョークのようなブラシです。不透明度は99%、筆圧によって濃淡がつくようにしてあります。
ぼんやりとしたブラシの跡を時々シャープな消しゴムブラシで消すことでシルエットを作り出します。
今回はゆるやかな川が流れている構図にしました。
水は反射という特性があるので、大きく空のある絵に入れると相性が良いモチーフです。
新しくレイヤーを1つ追加して、海を描きました。夕日と言ったら海はイメージしやすいですね。
水は下方向の反射を入れることで簡易的に表現できます。
人間は人を基準に大きさを認識するので、人のシルエットを描くと一気に大きさがわかりやすくなります。
人を描く際には筆圧で大きさがかわるブラシを使っています。
空を描く
続いて空のベースを描きます。まずはグレーで夕日のグラデーションを作ります。グラデーションにはエアブラシを使って表現します。
上空は夜空になるので暗く、地平線に近い部分は夕日があるので明るく塗りました。
奥から雲を描いていきます。距離感を出すにはくの字を描くようにペンを動かすことがコツです。
くの字に消しゴムを使って雲のシルエットを徐々に整えていきます。
手前に近くなるにつれて、雲の上側をぼかします。空気の流れやパースを意識してぼかしていきます。
全体のバランスを見て、地上のモチーフの影を強くしました。このように、空を描くときでも常に全体を見てバランスをとることが重要です。
地上の影を強くしたのでコントラストを高めるために、夕日部分を更に明るくします。印象に残る作品というのは、空や雲をそれぞれの要素を正確に描いただけでできるというわけではありません。
見て欲しいモチーフが最も活かせて、更に見た人の視線が集中する場所を考えることが大切です。
今回は、日が沈む太陽の最も明るい部分にあえて暗い廃墟のシルエットを重ねています。
目立つ部分に高いコントラストを作り出すことで、見た人の視線を誘導することができます。
夕日、雲レイヤーを不透明度保護して、エアブラシで柔らかな明暗をつけました。
背景のベースを塗る
ベースの色塗り
一番上にオーバーレイレイヤーを新規作成し、色をのせていきます。塗りの際にはエアブラシを使用します。
空の上部分は夜なので、青みをつけその青が反射したイメージで地上部分にも青をのせます。夕日部分は柔らかい暖色系ということでオレンジをのせました。
太陽に近い部分には黄色をのせることで、輝いているように見せることができます。
今までは一番上のレイヤーに色をのせている状態だったので、レイヤーを複製しそれぞれのレイヤーにクリッピングマスク、結合することで下のレイヤー全体に色をつけることができます。
雲・夕日・夜空を描き込む
雲・夕日の描き込み
まずは雲のディティールを整えます。
ブラシは筆圧で大きさが変化するブラシに、不透明度は高めのブラシを使用しました。また、消しゴムブラシで消したり、描いたりを繰り返してそれらしく見える形を追います。
難しい場合は写真を参考にするとやりやすいでしょう。
続いて遠くの雲を描きます。地平線近くにある雲は一番遠い雲になるので水平の線のイメージで描きます。
平筆のように若干スジがでるブラシを使用して、空を描く際に作ったグラデーションを遠近感を意識しながら乱します。この時も、くの字にブラシを動かすとやりやすいです。
こうすることで、高層の薄い雲や大気の乱れを表現できます。
ブラシをオーバーレイモードにして夕日部分を更に鮮やかにしました。全体を見つつ、手前部分のコントラストを強くして更に距離感を出していきます。水面は色が変化する特殊なブラシで描きました。
特殊なブラシで描くことで、絵に変化がでて面白くなります。
少しずつディティールを描いていきます。シルエットを重視して、それらしく見えるように消したり描いたりを繰り返します。
さらに雲を描き、手前部分は若干もこもこさせたいので、円を描くようにペンを動かします。
夕日部分のディティールを描きます。この部分は特に細くスジを描くようにペンを動かすのがコツです。
夜空を描く
夜空を描き込んでいきます。
ここまでベースができていれば夜空は星を描くことだけで済みます。今回のように夕日が近くにある空は、手動で点をぽちぽちとうつだけで星に見えます。
星をより映えるようにするために、手前部分の雲のバランスを見つつ動かしたり、描きこみを行います。
全体のバランスを整えて背景を仕上げる
イラストの仕上げ
全体を見て目につく部分を描きこみます。
コツは光があたっている部分は特に慎重に描き、影の部分は大胆に描かないことです。
川が少し物足りなかったので、一度レイヤー全てを複製、結合したものを垂直に反転し反射を表現します。
このテクニックはあらゆる点に応用できます。
調整レイヤーで一度全体の色をなくし、明暗のバランスを見て加筆しました。
色味がもう少しほしかったので、オーバーレイモードのブラシで緑を描いていきます。手前に、草のシルエットを加筆しました。
以上で、「魅力的な夕日と夜空の描き方講座」は終了です。
動画講座では、実際にイラストを描いていきながら解説を行っていますので、 記事よりも更に理解しやすくなっています。ぜひチェックしてみてくださいね!
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コンセプトアーティスト、デザイナー、アートディレクター、イラストレーター PlayStation5, Nintendo Switch をはじめとする家庭用ゲーム、スマートフォンゲームのコンセプトアートやデザインを主に制作しています。 近年では「FINAL FANTASY 7 REMAKE」コンセプトアート 「横浜動くガンダムプロジェクト」グッズイラスト 「ポケットモンスター」グッズイラスト 株式会社キングレコード制作「ヒプノシスマイク」の背景デザイン WITSTUDIO制作 劇場版アニメ「甲鉄城のカバネリ」コンセプトアート コミックマーケット公式紙袋など、ゲームだけに留まらず、アニメ、映画、広告、音楽、漫画、書籍、クリエイティブソフトの開発などあらゆるメディアへ活動の場を広げています。
イラレポ
投稿完了
よー清水
コンセプトアーティスト、デザイナー、アートディレクター、イラストレーター PlayStation5, Nintendo Switch をはじめとする家庭用ゲーム、スマートフォンゲームのコンセプトアートやデザインを主に制作しています。 近年では「FINAL FANTASY 7 REMAKE」コンセプトアート 「横浜動くガンダムプロジェクト」グッズイラスト 「ポケットモンスター」グッズイラスト 株式会社キングレコード制作「ヒプノシスマイク」の背景デザイン WITSTUDIO制作 劇場版アニメ「甲鉄城のカバネリ」コンセプトアート コミックマーケット公式紙袋など、ゲームだけに留まらず、アニメ、映画、広告、音楽、漫画、書籍、クリエイティブソフトの開発などあらゆるメディアへ活動の場を広げています。