動物の描き方講座 リアルな表現とキャラクター的な表現
動物の描き方がいつもリアルな表現しかできない...
そんな悩み、あるいは反対にいつもキャラクター的な表現になってしまう方っていらっしゃいませんか?
この講座では、動物を「キャラクター的な表現」と「リアルな表現」の2つの表現で描き分ける際のコツや捉え方を解説します。動物のイラストを学んでいきましょう!
動物の形:基本構造
動物の体の捉え方
人や動物の形を捉えて描くには3つのポイントを意識しましょう。
まず1つ目はシルエット、特徴の理解です。
骨格や筋肉と言った生物学的な理解の前に、どのような特徴や印象を受けるかを線に反映すると良いでしょう。生き物によっては丸みを帯びていたり、ガッシリしていたり、など様々な特徴があります。
特徴となるアウトラインを発見し、少し誇張して表現できるとそれらしくなるでしょう。
続いて2つ目は、骨格の理解です。
アウトラインで特徴を捉えてから、その印象を壊さないように骨格をはめ込んでいきます。
この時点であまりにも骨格の作りから逸脱しているようであれば、印象を壊さない範囲で調整をしましょう。
最後の3つ目は、必要に応じた筋肉の理解になります。
描きたい生き物に合わせて筋肉を描きこんでいきます。また、「必要に応じた」とは脂肪率の高い動物や厚い毛皮の動物など、筋肉を把握しなくても形になる動物もいます。
こちらは、必要に応じて調べていけば良いでしょう。
また、絵を描くときは「忠実性」よりも「見栄え」を重視したほうが良いと思います。
まずは資料になる写真を沢山見てそこから表現したいと思った感覚を優先して描いた方が面白い絵になりやすいです。
動物の基本構造:鳥類と四足動物
次に、鳥類と四足動物の基本構造を解説します。
鳥は頭、体、羽の3つのパーツに分けると描きやすいです。
羽は、だいたい首の付根となる辺りから描き始めると良いでしょう。
雀のような丸々とした鳥や鶴のような細長い鳥など、様々な体型がありますが、基本的には3つのパーツの比率を変える事により描き分けることができます。
四足動物は、頭部、前足、胴、後ろ足、尻尾と分けて考えると描きやすいです。
ただ頭部、胴、尻尾は分けて描いた場合でも、一連の流れを感じさせる線にしなければバラバラな印象になります。
同時に、頭部から尻尾にかけての体の中心パーツに前足と後ろ足が付いているというイメージで見た時に不自然でないか確認すると良いでしょう。
小型・中型・大型動物の描き方
小型動物「鳥」の描き方
ここからは「リアルな表現」と、「キャラクター的な表現」の動物の描き分けを解説していきます。
まずは、リアルな表現の描き方です。
動物など描き慣れていないものは顔からは描かず、「胴体」、「首の向き」、「足の形のニュアンス」を順に捉えることで出で立ちの印象を決めていくと描きやすいと思います。
鳥類は人間と違い表情の数が乏しく、ポーズの良し悪しで全体の印象が決まる傾向があります。
ラフの時点でポーズが不自然にならないように、しっかりと方向性を定めて描いていきましょう。
ポーズと同時に比率も意識します。どこからが頭、胴体、足なのかを比率を意識しましょう。
鳥類の羽の流れを描く時は、体の凹凸を意識して沿わせるように線を入れると良いでしょう。
また、鳥の顔を似せるのに重要なポイントが3点あります。
それは「くちばしの形」「目の鼻との位置関係」「目と瞳の大きさ」の3つです。
この3点を本物の比率を意識して描くとしっかり似てくれます。
鳥にも人で言う肩や上腕、太もも、スネなどの部分が存在します。
鳥の丸焼きの画像を見てもらうと分り易いと思いますが、関節の曲がり方など全く別の生き物と言う訳ではなく人体と共通する部分も沢山あります。
共通点を意識するとわかりやすいかもしれません。
続いてキャラクター的な表現です。
こちらもまず胴体から描き始め、ポーズのニュアンスを固めていきます。
鳥は羽が小さいのが可愛らしい特徴だと思ったので、小さめに描きました。
キャラクター化のコツについては、特徴を誇張し余計な情報を削ってデフォルメすることです。
今回の場合だと描き始める際の鶏のイメージが鳥の丸焼きのずんぐりむっくりした肉感でしたので、全体的に丸っとして手足は短い印象に描いています。
また、鳥は顔が少し怖いところや、シンボルの「とさか」などは印象に残るよう誇張して描いています。
羽については一枚一枚を大きくすると簡略化ができ、キャラクターらしくなります。
顔や体のバランスを見ながら調整をしていきましょう。
中型動物「狼」の描き方
まずはリアルな狼の表現の描き方です。
はじめに、大まかなアタリを描いていきます。
狼の資料を調べた時の第一印象は、首が長い事と、手足が細く湾曲がセクシーと言う事だったので、この2点をポイントに描いていきます。
また、鳥と同様に比率は崩さずに描いていきます。
動物に限らない話ですが、比率を外さなければしっかりと似ていきます。
大体のポーズが決まればそのまま描き進めて、後から微調整でさらに似せていくと楽かもしれません。
狼の前足も人間と同じ、5本指があります。
親指に当たる部分は人間が四つん這いになった時と同様に内側についていますが、後ろ足の親指は退化してしまい指は4本です。
狼などの四足動物にも、人間でいう上腕、下腕、肋骨、股関節、太ももなどに当たる部分があります。
狼の四足歩行は人で言う指だけで立っている状態です。
人の骨と見比べてみると手足の可動域など想像しやすくなると思います。
続いてキャラクター的な表現です。
今回、特に描きたかった部分は、「首元の立派な毛」、「まるいシルエット」、「腕のセクシーさ」の3点です。この3点を意識し、ポーズラフを描き進めます。
顔については、かっこ良くするかお伽話に出てくるような「お調子者」や「悪者」のにするかの2択をイメージしていました。
今回はポーズに合うお調子者風に描いていきます。
デフォルメなので、リアルとは違い、表情が読み取りやすい用に目や耳を大きく、口角も柔らかくを意識して描きます。
また眉の線、目の淵の線で表情は大きく変わるので色々試してみると良いでしょう。
大型動物「馬」の描き方
まずはリアルな描き方です。
馬は、「お尻」が魅力的な事、動きのある絵を描きたかった事をおさえポーズのラフを描いていきました。
馬の足の表現については、想像出来る程描き慣れていなかったので、とりあえず筆を進めてしっくり来る線を探します。
わからなくてもまずは描いてみましょう。描いていくうちにしっくりくる線や形を見つけることができます。
アタリをとる時は細身で描きましたが、先ほど解説した狼が細身だったので、馬は体の太めな肉体に修正していきました。
皮膚が薄くはちきれそうな肉感をイメージすると、太めなイメージに近くなると思います。
続いて、キャラクター的な表現です。
草食動物を少しX脚気味に描くと、動きが出てアニメ的な表現になります。
今回は、そのポイントと馬特有のたてがみをかっこ良く描くと言う点をイメージしながらラフを進めていきます。
顔は、顔の長さや鼻の大きさが特徴的です。
その他には、草食動物は視野を確保するために目が外側についている事や、頬の筋肉をしっかり描写するとリアルな雰囲気がでるでしょう。
今回もキャラクターとして表情が読み取りやすいよう、頭身を低くし目も大きく描いています。
繰り返しになりますが、キャラクター的に表現をしたい場合は特徴を大げさに描くと良いでしょう。
また、自由に変形出来る、布や髪など骨が入っていないものは大胆に表現すると、のびのびとした絵が描けると思います。
以上で「動物の描き方講座」は終了です。
動画講座では、実際にイラストを描いていきながら解説を行っていますので、 記事よりも更に理解しやすくなっています。ぜひチェックしてみてくださいね!
イラレポ
投稿完了
動物の描き方がいつもリアルな表現しかできない...
そんな悩み、あるいは反対にいつもキャラクター的な表現になってしまう方っていらっしゃいませんか?
この講座では、動物を「キャラクター的な表現」と「リアルな表現」の2つの表現で描き分ける際のコツや捉え方を解説します。動物のイラストを学んでいきましょう!
動物の形:基本構造
動物の体の捉え方
人や動物の形を捉えて描くには3つのポイントを意識しましょう。
まず1つ目はシルエット、特徴の理解です。
骨格や筋肉と言った生物学的な理解の前に、どのような特徴や印象を受けるかを線に反映すると良いでしょう。生き物によっては丸みを帯びていたり、ガッシリしていたり、など様々な特徴があります。
特徴となるアウトラインを発見し、少し誇張して表現できるとそれらしくなるでしょう。
続いて2つ目は、骨格の理解です。
アウトラインで特徴を捉えてから、その印象を壊さないように骨格をはめ込んでいきます。
この時点であまりにも骨格の作りから逸脱しているようであれば、印象を壊さない範囲で調整をしましょう。
最後の3つ目は、必要に応じた筋肉の理解になります。
描きたい生き物に合わせて筋肉を描きこんでいきます。また、「必要に応じた」とは脂肪率の高い動物や厚い毛皮の動物など、筋肉を把握しなくても形になる動物もいます。
こちらは、必要に応じて調べていけば良いでしょう。
また、絵を描くときは「忠実性」よりも「見栄え」を重視したほうが良いと思います。
まずは資料になる写真を沢山見てそこから表現したいと思った感覚を優先して描いた方が面白い絵になりやすいです。
動物の基本構造:鳥類と四足動物
次に、鳥類と四足動物の基本構造を解説します。
鳥は頭、体、羽の3つのパーツに分けると描きやすいです。
羽は、だいたい首の付根となる辺りから描き始めると良いでしょう。
雀のような丸々とした鳥や鶴のような細長い鳥など、様々な体型がありますが、基本的には3つのパーツの比率を変える事により描き分けることができます。
四足動物は、頭部、前足、胴、後ろ足、尻尾と分けて考えると描きやすいです。
ただ頭部、胴、尻尾は分けて描いた場合でも、一連の流れを感じさせる線にしなければバラバラな印象になります。
同時に、頭部から尻尾にかけての体の中心パーツに前足と後ろ足が付いているというイメージで見た時に不自然でないか確認すると良いでしょう。
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小型動物「鳥」の描き方
ここからは「リアルな表現」と、「キャラクター的な表現」の動物の描き分けを解説していきます。
まずは、リアルな表現の描き方です。
動物など描き慣れていないものは顔からは描かず、「胴体」、「首の向き」、「足の形のニュアンス」を順に捉えることで出で立ちの印象を決めていくと描きやすいと思います。
鳥類は人間と違い表情の数が乏しく、ポーズの良し悪しで全体の印象が決まる傾向があります。
ラフの時点でポーズが不自然にならないように、しっかりと方向性を定めて描いていきましょう。
ポーズと同時に比率も意識します。どこからが頭、胴体、足なのかを比率を意識しましょう。
鳥類の羽の流れを描く時は、体の凹凸を意識して沿わせるように線を入れると良いでしょう。
また、鳥の顔を似せるのに重要なポイントが3点あります。
それは「くちばしの形」「目の鼻との位置関係」「目と瞳の大きさ」の3つです。
この3点を本物の比率を意識して描くとしっかり似てくれます。
鳥にも人で言う肩や上腕、太もも、スネなどの部分が存在します。
鳥の丸焼きの画像を見てもらうと分り易いと思いますが、関節の曲がり方など全く別の生き物と言う訳ではなく人体と共通する部分も沢山あります。
共通点を意識するとわかりやすいかもしれません。
続いてキャラクター的な表現です。
こちらもまず胴体から描き始め、ポーズのニュアンスを固めていきます。
鳥は羽が小さいのが可愛らしい特徴だと思ったので、小さめに描きました。
キャラクター化のコツについては、特徴を誇張し余計な情報を削ってデフォルメすることです。
今回の場合だと描き始める際の鶏のイメージが鳥の丸焼きのずんぐりむっくりした肉感でしたので、全体的に丸っとして手足は短い印象に描いています。
また、鳥は顔が少し怖いところや、シンボルの「とさか」などは印象に残るよう誇張して描いています。
羽については一枚一枚を大きくすると簡略化ができ、キャラクターらしくなります。
顔や体のバランスを見ながら調整をしていきましょう。
中型動物「狼」の描き方
まずはリアルな狼の表現の描き方です。
はじめに、大まかなアタリを描いていきます。
狼の資料を調べた時の第一印象は、首が長い事と、手足が細く湾曲がセクシーと言う事だったので、この2点をポイントに描いていきます。
また、鳥と同様に比率は崩さずに描いていきます。
動物に限らない話ですが、比率を外さなければしっかりと似ていきます。
大体のポーズが決まればそのまま描き進めて、後から微調整でさらに似せていくと楽かもしれません。
狼の前足も人間と同じ、5本指があります。
親指に当たる部分は人間が四つん這いになった時と同様に内側についていますが、後ろ足の親指は退化してしまい指は4本です。
狼などの四足動物にも、人間でいう上腕、下腕、肋骨、股関節、太ももなどに当たる部分があります。
狼の四足歩行は人で言う指だけで立っている状態です。
人の骨と見比べてみると手足の可動域など想像しやすくなると思います。
続いてキャラクター的な表現です。
今回、特に描きたかった部分は、「首元の立派な毛」、「まるいシルエット」、「腕のセクシーさ」の3点です。この3点を意識し、ポーズラフを描き進めます。
顔については、かっこ良くするかお伽話に出てくるような「お調子者」や「悪者」のにするかの2択をイメージしていました。
今回はポーズに合うお調子者風に描いていきます。
デフォルメなので、リアルとは違い、表情が読み取りやすい用に目や耳を大きく、口角も柔らかくを意識して描きます。
また眉の線、目の淵の線で表情は大きく変わるので色々試してみると良いでしょう。
大型動物「馬」の描き方
まずはリアルな描き方です。
馬は、「お尻」が魅力的な事、動きのある絵を描きたかった事をおさえポーズのラフを描いていきました。
馬の足の表現については、想像出来る程描き慣れていなかったので、とりあえず筆を進めてしっくり来る線を探します。
わからなくてもまずは描いてみましょう。描いていくうちにしっくりくる線や形を見つけることができます。
アタリをとる時は細身で描きましたが、先ほど解説した狼が細身だったので、馬は体の太めな肉体に修正していきました。
皮膚が薄くはちきれそうな肉感をイメージすると、太めなイメージに近くなると思います。
続いて、キャラクター的な表現です。
草食動物を少しX脚気味に描くと、動きが出てアニメ的な表現になります。
今回は、そのポイントと馬特有のたてがみをかっこ良く描くと言う点をイメージしながらラフを進めていきます。
顔は、顔の長さや鼻の大きさが特徴的です。
その他には、草食動物は視野を確保するために目が外側についている事や、頬の筋肉をしっかり描写するとリアルな雰囲気がでるでしょう。
今回もキャラクターとして表情が読み取りやすいよう、頭身を低くし目も大きく描いています。
繰り返しになりますが、キャラクター的に表現をしたい場合は特徴を大げさに描くと良いでしょう。
また、自由に変形出来る、布や髪など骨が入っていないものは大胆に表現すると、のびのびとした絵が描けると思います。
以上で「動物の描き方講座」は終了です。
動画講座では、実際にイラストを描いていきながら解説を行っていますので、 記事よりも更に理解しやすくなっています。ぜひチェックしてみてくださいね!
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鳥・狼・馬の中から好きなモチーフを選んでリアルな表現とキャラクター的な表現をそれぞれ描いてみましょう!
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